「では、文化祭でのクラスの出し物はシンデレラで良いですか?」

「はーい!」

クラス中が賛成する。

多数決の結果、演劇でシンデレラをやる事になった。

......普通ロミオとジュリエットなんだけどなぁ......

まぁ、私は去年と同じように裏方に回るけど。



「では、次に配役を決めます。初めにシンデレラと王子様を決めようと思うのですが、誰かやりたい方いませんか?」

「はーい!」

クラス一の目立ちたがり屋さんが手を挙げた。

でも、立候補する訳ではなかった。



「シンデレラは七瀬さんで、王子様は智也君が良いと思いまーす!」

えっ!?
なんで!?

教室中から沸き起こる拍手......

智也は立ち上がって、頑張ろうなって言ってくる。

......断れない......



「が......頑張ります。」


さっき、私をシンデレラに指名した目立ちたがり屋さんグループは、継母と意地悪なお姉様役になった。

そういえばこの人達、智也のファンの子だ......

日頃の鬱憤を晴らすため、わざと私をシンデレラにして、苛められるようにしたんだ......

はぁ......嫌だな。
でも、今さらやりたくないとも言えないし......



「舞波、シンデレラだね。大丈夫?」

「んー。大丈夫じゃないかも......」

亜希は貴族役でセリフはないけど、可愛いドレスが着られると喜んでいた。

ちなみに、先生達も参加しないといけなくて、櫻井先生は、亜希と同じ貴族。

そして、安東先生は、シンデレラを綺麗に変える魔法使いの役になった。



ちょっとビックリしたけど、でも練習とかで一緒にいる時間が多くなるはず!

話かけられる確率も多くなるはずだよ!



早速、練習頑張りましょうねって話かけに行こうかな?


ガラッ。

「舞波!今日お前の家で早速練習しようぜ?」

......智也......

「あー。ちょっと今日は......」

と私が言うと、智也は私の手を掴んで

「何言ってんだよ。俺ら主役だぞ。練習あるのみ!」

と、無理矢理連れて行った。

もー!なんでなのよー!