剣也もアタシと佳織と同じ小学校からの友達。

男の子だから話せないこともあるけど、仲のよい友達だ。


「そーいや、今日って新入生の登校日じゃねぇ?」

『新入生かぁ…。』

アタシはふと自分が高校1年のころを思い出していた。



「なぁーにぃ?紗英さんは年下に興味がおありぃ?」

「まじかよっ!?」

剣也が驚いている。

『ちゃかさないでよ~佳織ぃ。』


「俺、なんかあせったー」

『なんで剣があせんの』
アタシが聞いた瞬間、剣也は佳織になにか言いはじめた。


「…。なー佳織。俺、こんなんで大丈夫かな…。」


「がんばんなさいよ。」

話が分からなかった。

『なによー!アタシなんか言った?』


「いや?鈍感紗英さんは関係ありませーん」


『ひっどーいっ!』


アタシはつっかかる思いを胸の中に押し込めた。