★★★



奏がもどってきて、校内をまた案内し始めた。

…お姫様抱っこされながら。


「あとどんくらい?」


『最後は…2年のところ。』

一年の付近は案内しなくていいことになっているから、次でやっとこの地獄から解放される。


ドキドキの地獄に。


「紗英のクラスは?」


『絶対教えない。』


「……いい?」


今の“いい”は吐息攻撃だと分かったので、アタシはしぶしぶ教えた。


『…3組でーす。』


「最初から素直に言えっつの。」


『なんで年下に対してそんなにドSなのよ…』



その瞬間後ろから声がした。




「紗……英?」