『アタシのことお姫様抱っこしてるからじゃんかっ!』





《遡ること5分前》


『ここが資料室。んであっちが…』


「なぁーつまんない。」


奏はそう言うと、アタシにいろいろなことを頼んできた。


「ガイドさんのコスプレしたりさー手ぇつないだりさー」


『なんでアタシがそんなこと…んっ!』


またしても耳に吐息攻撃。


「じゃあ…食べていい?」



『!!!?』


「あーあ。お姫様抱っこだけでもいーのにー」



こいつ…わがままも備わってるし…。



『分かったわよ!!』