「人気がすごいですね〜流石ですね!!では、麻咲さんは?」
「はっはい…なんか、実感ないし、なんであたしなんだろうと思いますが、嬉しいです」
あたしは照れながら、一生懸命答えた。
「「「「「「ぅおおおおおおっ!!」」」」」」
「すごい…可愛いですね///」
「は?」
「いえっ!!とにかく、この2名の健闘を祈りましょう。では、皆さん講堂移動して下さい」
ザワザワ…
はぁああ…緊張した。
「麻咲。俺らも移動」
「そだね」
あたし達は急いで講堂に移動した。
「さぁ、このコンテストも終盤!優勝者は誰になるんでしょうかっ!!あなた達に、この6人の勝敗は委ねられます!!」
ステージに立つ6人。
司会者だけライトで照らされ、まだ講堂には電気がついていなく、真っ暗だ。
「では、選ばれ抜いた人の紹介だぁああああっ!!」
「「「「「「わぁあああー!!」」」」」」
パンッ
また眩しぃ…
「では、1名ずつ自己紹介と、特技などを教えて下さい!!3年からっ」
司会者からマイクを手渡されたのは、高城先輩。
「3−Cの高城朝馬だ。生徒会長をしている。特技は…サッカーかな」
「なるほどー!!優勝したら、ぜひリフティングを見せて下さい!」
「あぁ」
「「「「「「「「朝馬さまぁ〜!!」」」」」」」」
高城先輩にもファンがいるのか…
マイクは藍河先輩に渡される。
「わたくしは藍河貴子。3−Bの生徒会副会長ですわ。特技は書道や生け花かしら」
「大和撫子ですね!!素晴らしいっ!!」
「「「「「「「藍河さまっ!!」」」」」」」
野太い声と澄んだ声が混ざってるってことは、幅広い人気があるんだなぁ〜
「俺は、中谷颯です。クラスは2−Aですね」
にこっと笑う颯に、
「「「「「「「キャー!!颯様!!」」」」」」」
女子が叫ぶ。
流石…モテる男は、ああいう奴なのね…
「なっ中谷くんは、昨年も優勝なさってますね!!今年は勝つ自信ありますか?」
「え?俺なんか無理ですよ〜きっと去年もまぐれです」
「「「「「「絶対入れる〜!!」」」」」」
絶対自分が優勝だと確信してるくせに…
マイクは次に回る。
「………私は、志田絹。2−Dです」
「「「「絹さん!!」」」」
少なっ!!叫び少なっ!!
隠れファンが多いのかな?
「志田さん…特技は?」
「さっき、中谷くんが言わなかったので、忘れていました」
あっ…そういえば、颯言ってないし。
「あぁ…すっかり、忘れてましたね!叫び声に圧倒されてまして…すいません。中谷くん」
「はい。俺も忘れてたんで、大丈夫です。俺は、スポーツはだいたい得意ですね」
「はい!わかりました。では、志田さん?」
「…料理とかですかね?」
「いい奥さんになれますね」
「………ふふっ」
なんだか、志田先輩は、空気みたいに、掴めない存在だよ。
うん。
ついに1年だ。
「1−D風瀬夢遊。特技はバスケ」
バスケ??風瀬くん、バスケ部だったの?!
「ではここに、バスケットボールがあるので、何かしてもらえますか?」
「……ハンドリング…」
風瀬くんはいきなりやらされても、全然へいきみたい。
指1本でボールをくるくる回したり、足の間を通したり…すごい!!
「すごいですね!確か、風瀬くんは、1年でバスケ部のレギュラーだとか」
「まぁ…」
「「「「「「「キャー!夢遊!!」」」」」」」
これ、1年の女子だろうなぁ〜
「麻咲。マイク」
小声で風瀬くんから渡されたマイク。
ついにあたしの番か…
緊張するーー!!(泣)
「えっと…麻咲李衣です。特技は…空手とか…球技ですかね」
「空手?!空手できるんですか?」
「はっはい…」
えっ?なんでこんなに驚かれてるの?
「では、何故かここに板があるんで、やってもらっていいですか?」
「はっ?!」
なんで板が?!
チラリと講堂を見渡すと、奈葉が大手を振っている。
まさか…
奈葉は口パクで、『あたしが用意した。がんば』と言った。
ありえねぇー!!風瀬くんのもコイツが用意したのか?
それなら、2、3年に見せ場がなかったのも頷ける。
「はい。僕が持つんで、やっちゃってください」
あたし、スカートですけど。
……やるっきゃない。
パンツなんて、このさい気にしないのよ!!李衣!!
「麻咲ちーん!!ズ・ボ・ンっ」
んん?
あたしの目の前にズボンが降ってきた。
投げたのは、奈葉。
用意がいいこと。
あたしはスカートの下にズボンをはき、構えた。
足は、久しぶりなんだけど、大丈夫かな?
いつも素手に布巻いて、やるんだけど。
あたしは深呼吸をひとつし、
「はいっ!!」
パンッ
足を高くあげ、割った。
「「「「「「「「すごーい!!」」」」」」」」
皆の声。あぁ〜成功した!!
「ぼっ僕のほうに衝撃がきましたよ…ありがとうございました!!」
パチパチパチパチ…
拍手がわき起こる。
「では皆さん、お手元の携帯で、好きな人の番号を選んで下さい!!」
携帯で投票するとか、今時じゃん?
あたし達は、投票が終わるまで、裏方の人が持ってきてくれたイスに座る。
数十分で結果はでた。
「はいっ…集計も終わったようです。さぁ、優勝者は誰だ?!まず、3年から順に発表していきます」
ドラムロールが流れる。
「3年、高城朝馬236人。藍河貴子163人」
高城先輩と藍河先輩は、イスから立ち、礼をした。
「2年、中谷颯302人。志田絹95人」
颯すごっ!!志田先輩は、意外に少ない。
「1年、風瀬夢遊205人。麻咲李衣193人」
全校生徒1200から6人引いた数だよね。
やっぱ、颯は多いや。
優勝…ゆうしょう??
あれ?あたし、数多くない?
あたし、視力悪かったっけ?
あたしは目をパチパチしたり、擦ったりしたが、数は『193』のまま。
「おぉっ!!優勝者は、2年の中谷颯、そして1年の麻咲李衣だぁー!!」
「「「「「「「「「わぁあああああああああっ!!」」」」」」」」」
うっそ…ありえない。
「優勝者には、校長から賞状とトロフィーが渡され、1年間、この学校の宣伝や、パンフレットなどに、この学校の顔としてでてもらいます!!」
ぱ…パンフレット??
そんな話聞いてないんですが…
「おめでとう」
校長は、あたし達に賞状とトロフィーを渡してくれた。
「「ありがとうございます」」
実感わかないし。
「では、一言!!」
颯にマイクが渡された。
「はい。また、優勝させて頂き、光栄です。ありがとうございます」
皆が拍手していたので、あたしもつられて拍手。
あたしにマイクが渡る。
「はっはい。なんか、あたしなんかでいいのかと思いますが、皆さんありがとうございます」
あたしはぎこちなく笑った。
「お2人はカップルだそうで。カップルとして、この学校の顔となることに思いはありますか?」
「「は?」」
2人で司会者を見つめた。