それから2ヶ月ほどが経ち、沖縄で撮った写真が学校代表として選ばれたというのだ。
それだけでもすごい事なのに
なんとその写真が日本全国から集められた優秀な写真だけを集め、
展示されるというのだ。

その展示される初日には立食パーティーのようなものもあり、
そこで智がスピーチをすることに!!

あたしと、萌と萌の彼氏も一緒に、そのパーティーに参加できることになり
おもいもよらないドキドキ感に包まれた。

パーティーの日、あたしはシックな黒のロングドレスを身にまとった。
髪をアップにして精一杯オシャレをした。

智はどんどん夢を叶えて立派になっていってるのに、
あたしだけが何も変われない。やりたい事も見つからない。
どんどん、先に進んでいく智に置いていかれないように・・・
これが精一杯の努力だった。

智は先に会場に行かなければならないというので、
あたしは萌の彼氏の車に一緒に乗せてもらった。

会場の外もすごい混雑していて
会場に一歩足を踏み入れると、そこはもう大人の世界で
学生だと思われる人は見当たらない。

選ばれた写真もたくさん飾られていたけど、
人が多すぎて、智の写真は探しだせななかった。

多すぎるカメラマンや花に圧倒され、
あたしたち3人は会場の端の方で静かにしていた。

しばらくして司会の人が現れ、パーティーは始まっていった。

大きなスクリーンにも写真が次々に映し出され、
ただ、あたしはジッとそこを見つめていた。
それから間もなくして、あたしの顔が映った。
大きなスクリーンいっぱいに、あたしの笑う顔が映し出されている。

『ちょっと、幸!!あれ、幸でしょ!??』
驚く萌が、あたしの肩を掴んでゆさゆさと揺らす。