時間というものは
何かをしていても、何もしていなくても
自分の意思とは関係なく動いていて
1分も1秒すら待ってはくれない。

そして誰にでも平等で、
誰にでも与えられている唯一のもの。

あたしが、智を待っている間
工藤さんは、あたしを待っていた。

そのことに気づいてから、あたしは自分以外の
時間についても考えるようになっでいた。

2年が過ぎて、ただひたすら待っている自分がバカらしく思えて
どうにかしなきゃと思う自分と
もう少し、もう少しと・・・待ってしまう自分もいる。

智の実家は、留学間もなく引っ越していて
その引越し先は知らなかった。
どうにかして、智の居場所を知れる方法はないものかと
あたしは休みの日に
智が通っていた専門学校に行く事にした。

何もわからないかもしれない。
それでも、何もしないよりかはマシだって
何もしないで待つよりも
何かをして待つほうが
時間を無駄にしないような気がして。。。

智の学校に来るのは合格発表のあった あの日だけ。

高校を卒業してから
それ以上の学校と言うのは
なんだか自分とは世界が違う感じがして・・・
足を踏み入れる勇気がなかった。

高校とは全く違う、自由な雰囲気の生徒たち。
校舎や校庭も?キャンバスってゆうのかな・・・
同じ年の人なのに
なぜか、自分よりも若くて生き生きしているように思えた。

正門の前で、ひとつ大きく深呼吸をして
あたしは1歩を踏み入れたのだ。