深い、ため息が出た。

『幸ちゃん。オレさ、幸ちゃんのことが好きだよ』

ビックリして工藤さんの顔を見てしまった。
「えっと、え?!!」
言葉にもならなかった。

そんなあたしを見て工藤さんは、笑ってこう言った。
『2年経ったら、伝えようと思ってたんだ。
 まぁ、オレに勝ち目がないことなんてわかってたから
 2年経てばもしかしたらオレにも望みはあるんじゃないかって』

『幸ちゃんの、彼に対する想いは分かってるつもりだし、
 幸ちゃんの性格上 この先、何年も彼のことを思い続けていくと思うんだ
 でも、それはあまりにも辛いと・・・思うからさ
 オレがこんなことを言うのは筋ちがいかもしれないけど
 オレは、彼みたいに幸ちゃんのことほったらかしたりはしない。』

『ずっと、側に居るし、いつだって会いにいける』

あたしは、まっすぐと工藤さんの目を見つめていた。
真剣さが伝わってきた。
工藤さんと居れば、あたしはキット寂しい思いをしなくてすむだろうし
幸せになれるんだろうと・・・思う。。。

「ありがとうございます。でも・・・あたし、やっぱり簡単には気持ち
 入れ替える事出来ないし・・・
 もしも、何年か経って智から連絡があったら・・・
 会いに行ってしまうと思うんです・・・。だから・・・」

そこまで言いかけると工藤さんが話し始めた。

『それでも、いいよ。彼が戻ってきたら、俺は諦める。』
「工藤さん・・・・。」
 
『でも・・・そのときが来ても、キット幸ちゃんは
 オレを選んでくれるような気がするんだけどね。』

そう言って笑った。
あたしも、思わず笑ってしまった。

工藤さんからの突然の告白で、これから歩む人生の道が
大きく2つに分かれているのが目に見えるようだった。