クリスマスが終わって、それと同時に智はいなくなった。
あたしが渡したプレゼントはとても喜んでくれて

『一生大事にするから』そう言ってすぐに付けてくれた。

智がくれたプレゼントは、すぐには見ちゃだめだと言われたので
今もまだ箱に入ったまま置いてある。

『幸がどうしても寂しくなった時に開けること』そう言われたのだ。

中身がすごく気になって 振ってみたりしたけど
モソモソと鈍い音がするだけで良く分からなかった。

見送りには来ないでほしいと言われたので
あたしは朝から、空を飛ぶ飛行機ばかりを目で追っては
アレかな?アレかな?と夕方までズット空ばかり見ていた。

最初の1週間は智が居ない事に慣れていないのか
普通に過ぎて行ったが、
次の1週間で会えない寂しさから泣くようになってしまった。

智からの電話は、まだなかった。
住所もわからなかった。
落ち着いたら手紙を書くからとは言っていたけど
たった2週間じゃ、まだ落ち着く事もないのだろうか?

智がいなくなって時間の使い方がわからなくなってしまったあたしは
今のバイトを辞めて
もっと忙しくて、たくさん働ける場所を探した。

恋を失くした女が仕事に走るというのは
間違いではなかったようだ。

そして2ヵ月後、ようやく契約社員だけど仕事が決まった。
冬の真っ只中、とても寒い日のことだった。