TJVでも、シートを倒して


寝られるように配慮してくれた。


約3時間 朦朧とした


意識の中でふと気が付くと


向かい側のシートに


座っていた悟はいつも


微笑んでいてくれた。



ディジョンについて


ホテルに到着すると


地元のドクターが往診にきてくれた。



「虫垂炎だそうです。


すぐに手術が必用なので


総合病院に入院しましょう。」


悟が言った。


「虫垂炎?って


つまり盲腸?」美姫が大きな声で


悟にたずねた。


「はい、しかも急性なので


急いで手術しないと


腹膜炎を起こしてしまいます。」


スーツケースといっしょに


ドクターの自動車に乗って


そのまま病院へと向かった。


ガラス張りの都会的なビルの


病院の個室に緊急入院した。


日本の病室によくある


白やグリーンを貴重とした病室


とはかけ離れていた。


黒を基調とした重厚感のある


病室には、ガラス張りの


トイレとお風呂も完備していて


ナースコールがなければ


ハイセンスなシティーホテルの


スイートルームのようだった。



ベッドに横たわっていると


悟が入ってきた。