「やはり くもまっか出血ですね。


明日きちんと検査をしてみないと


今後の治療方針は、はっきり


しないのですが。


出血量も少ないので


きちんと治療して


リハビリをすれば


生活に支障がでることは


ないと思います。」



「ありがとうございます。」


叔父も私も深く頭をさげた。


「かおりには知らせないとね。


家に帰ったら、


私から連絡しておくわ。あと


入院の用意していないでしょう?


適当に用意してくるから。」


「ありがとう。頼むよ。」



叔父、叔母には一人娘がいた。


「かおり」


彼女は大学を卒業後


「アメリカに行く」っと言って


大学時代にアルバイトで


稼いだお金を握り締めて


旅立った。


今は、現地で結婚して


幸せな家庭を築いている。


彼女と私は同じ歳なので


幼い頃から姉妹のように


いっしょに遊んだ。


叔父や叔母にとっては


寝耳に水の娘の突然の


アメリカ行き宣言も


私は小学校の頃から


知っていた。


「大きくなったら


海外で生活したい。」


彼女はずーっと


そんな夢を持ち続け


自分の力で叶えたのだ。


去年、家族と日本に来たときの


かおりの笑顔が浮かんだ。


「じゃあ、家に帰って


入院の準備をしてくるから」