「アンジュ」に戻ると


稲葉君がきていた。


「こんにちは。


冬のキャンペーンにむけて


作戦会議開きましょう。」


「稲葉君 また黒くなった?」


「わかります?


ハワイに波乗りにいや


里帰りしていました。」


「ハワイに里帰りか・・・


稲葉君セレブね。」


「カラカワナイでください。


気候は最高ですよね。


空気がカラッとしていて


気持ちがいい。


食事は日本のほうが好きですね。


お味噌汁と白いごはん 


漬物が一番です。」



「そうね。」


「実は


今日はお願いがあって・・・」


「な~に?」


「うちの本社で代理店の


社長さんを集めて 勉強会


やってるじゃないですか


愛子さん 今度講師で話して


いただけないでしょうか?」


「私が?  みなさんの前で・・?


ムリムリ・・・だって


私なんかよりも他の社長さんの方が


凄い実績あげていらっしゃるじゃない。」



「いや~ 「アンジュ」猛進中


じゃないですか・・・。」



「それは、叔母がやってきたから


もともと完成されていただけなの。


私は今までどおりにやってきただけ・・」


「確かに 叔母様の功績は凄かったと


思いますよ。でも この半年間の


アンジュの成長振り 気づいてますか?


前年度の130%の伸び率なんです。」



「だって 今年はゼオライトシリーズが


発売されたから その分売り上げが


アップしても当然じゃないの?」



「本来ならばそうですよ。


でも 最近はネット販売の化粧品が


爆発的に増えてきているので


どこの会社さんも売り上げが


伸び悩んでいるんですよ。


ゼオライトがあったからこそ


前年比100%そこそこぐらい。