「私から見ると、美姫が情熱的


すぎるんだって・・・


毎回 毎回


「この人とめぐりあうために


私は生まれてきた。」って・・・


私たちが出会ってからの


20年間でいったい何回


聞いたことか。


シオンくんだって


前世からの運命だって


言い出しちゃって。


毎回会うたびに


ふたりの愛を確かめる話ばかり


してるだなんて・・・


それはそれで


別の方向にずれちゃってると


思うけど・・・」



「そりゃーそうよ。


ずれちゃってるよ。


私はいつだって100%で


恋愛しているんだもん。


気分は冬のソナタだから。」



美姫は運ばれてきた


バニラアイスをスプーンですくって


口に運んだ。


お店の向こう側に見える


ビルの中庭の噴水から


さらさら水の流れる

涼しげな音が聞こえている。