「あのね。愛子ちゃん。


今どきの高校生だって


もう少し大人の恋している・・・


あなた 中学生じゃないんだから・・・


だいたい 上野君だって


愛子が自分のこと好きだって


わかっていて、無謀にも


日帰りで大阪まで会いに来るのを


受け入れるってことは


そういうことでしょう?


最低でもキスぐらいはあっても


不思議じゃないシチュエーション。


むしろ自然だなってお姉さんは


思うのね。


何か それらしき話とか・・・


態度とかってあったんじゃない?」



「・・・


パンツがグリーンだって言ってた。」


「パンツの色・・・」


美姫の瞳がキラっと光った。


「で で 返しは?」


「ラッキーカラー信じるんだって」


美姫は呆れたように首を振ると


タバコに火をつけて


白い煙をゆっくりと吐き出した。



「そこのくだり・・・


彼がせっかく投げかけてくれている


直球のボールを


もう少し上手に打ち返すこと


できなかったのかな~


『グリーンのパンツ 見たいな。』とか・・・


この受け答えひとつで


その後の展開が違ったでしょう?


ああ、もったいない


私ならゼッタイにこのビックチャンス


逃さなかったのに・・・


もったいない。


もったいなさすぎる。」