鏡には いつもと違う


私が映っていた。


結婚して 子育てして


そんな日常の中で


自然とデニムばかり


はくようになり、


足を出すのが恥ずかしくて 


仕事の時いつもパンツスーツばかり


選んでいた。




「足 太いの 目立ちます?」


「やだ~愛子さん


スラットしていて足だって


細いじゃないですか~。


お似合いですよ。


とても・・・」



「ナルシストみたいだけど


鏡の中の私はいつもより


女らしく見えた。


妻であること 母であること


その前提にある


ひとりの個人であり


女性である私がいた。」


「これにするわ」


「バッグと靴と


アクセサリーもね。」


いつもながら


叔母の大判ぶるまいには


頭が下がります。