「帆風、おはよう。」


ダイニングに笑顔で
入ってきたこの人は、
私の5つ年上の兄。

三津倉 嘉帆(ミツクラ カホ)です。




『おはようございます。
 嘉帆お兄さま。』


「今日は良い天気だね。
新学期にぴったりだよ。」


『ええ。本当に!
学校に行くのが楽しみです。』



笑顔で言う私のことを、
目を細めて愛おしそうに
頭を撫でてくれた。




『?』


「・・・」



ゆっくりと息を吐いて
お兄ちゃんは窓の外を見た。





.