─────




その後。


学校から帰った私は、
どうやってお兄ちゃんに旅行をOKしてもらうか悩んでいた。




……どうしよう……

お兄ちゃん……怒ったら本気で鬼みたいに怖いしなぁ……



でも……
旅行は絶っっ対に行きたいしなぁ……




ココは……


食べ物で釣る!!(え)




早速私は、

お兄ちゃんの好きなオムライスを作り始めた……






――夜、12時。




ガチャ



「ただいまー」


玄関からお兄ちゃんの声が聞こえた。


今日も帰りが遅いなぁ。
やっぱり大変なんだな、アイドルって




「おかえりっ」



リビングのドアを開けたお兄ちゃんに向かって、
普段は絶対にしない笑顔で挨拶した。




「……何お前。気持ち悪い。

んで……何、コレ。
お前……なんか悪い事でもしたんか?」



私の笑顔を見るなり苦笑いしたお兄ちゃんは、

更にテーブルの上に置かれたオムライスを見て
真剣な顔で私に問い掛けてきた。




「は?違うしっ!

日頃お仕事頑張ってるお兄ちゃんへの労いを込めて、一生懸命作ったんだよ?」