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『扉が閉まりまーす』
ガタンゴトン
今日も電車は、無機質に動き出す。
マンションから高校までは、たったの1駅。
私は扉の近くに立ちながら、聞こえてくる女子高生の会話に耳を傾けていた。
「ねぇねぇっ、昨日の歌番組見たっ!?」
「当たり前じゃん!
だってBIG4出てたでしょ♪」
「ナオトかっこよすぎるー!王子様みたいだよね?」
「うんうんっ、それにハルもユキもユタカもかっこよすぎるよねっ!」
………。
ツッコミたい。ツッコんでやりたい。
……他の3人は確かにカッコいいけどね?
"ナオト"は……
お兄ちゃんは……
間違いなく "悪魔" だから……。
「あー、BIG4のコンサート行きたいなー」
「無理無理!だって超人気で入手困難なんでしょ?」
……まぁそうだろうね…
…BIG4は……日本で今、一番人気があるだろうアイドルグループだからね?
――女子高生達の会話を聞きながら、電車は駅に着いた。
やっぱり凄いな、お兄ちゃんは。
……嫌いだけど。