そうだよ、お兄ちゃんなんてもっと小さな頃から外泊してるじゃん!




「はぁ……
あのなぁ、俺は中学2年生の時に芸能人になったの。

レッスンとかロケとかで外泊するのは仕方ねぇだろうが、バーカ」



「分かってるよ……
けどお兄ちゃんだけずるいっ!」



私だって分かってるよ!?

お兄ちゃんのは仕事だもんね?


けど……

だけどやっぱりずるいっ!!




「んだよ?
俺は仕事だっつーの。」



面倒くさそうに欠伸した、呆れ顔のお兄ちゃん。




「分かってるよ!
けど……

私もう高校生だよ!?
友達と思い出作りたいの!」



「お前なぁ……
"まだ"高校生だろ。

しかも、一応女なんだから……旅行なんて危なすぎる。」



「男女差別反対!」




"一応女"という言葉に一瞬イラッとしたけど、

ここで負けちゃダメだ!


私は言い返した。




「はぁ……
旅費はどうすんだよ?

言っとくが、俺は一銭たりともやらねぇからな?」




う……!

真剣な顔でお兄ちゃんが尋ねてきた。


それは……確かに最もだけど……