若干引きつりながらも笑顔で返す私。


旅行のタメだ、頑張って機嫌取らなきゃ!





そんな私をジロジロと見たお兄ちゃんは、

お腹が空いてたのか

さっさとイスに座って黙々とオムライスを食べ始めた。




……食べ物で釣る作戦、
やっぱり効くかも……♪




私は心の中でニヤニヤしながら、TVのバラエティー番組を見つめていた。





そして、何分か経ち。




「……で?
何。何のお願いだよ?
言え。」



オムライスを全部食べ終わったお兄ちゃんが、

私の座ってるソファーの隣に座ってきた。




ぅげぇ……

隣に座るとか……ヤメテほしいんですけど……



ファンの人達なら泣いて喜ぶような状況だけど、

私にとったら今すぐにでも立ち上がりたいくらい嫌な状況だった。



けど……旅行のタメだしっ!


意を決して、私はお兄ちゃんに話し出した。





「ね、お兄ちゃん?
……折り入ってお願いがあるんですけど……」



「……お前が敬語使うの気持ち悪い。」



ムカッ



「べっ、別にいいでしょ!?
あのね……?その……
私ね?夏休みに友達と旅行したいんだけど……」