「真苺…?」


気付くと英咲士君の服の裾を摘んでた。


「どうしたん?」


英咲士君はベッドに腰掛け左手は私の頭を撫で右手は私の手を握って話をする。


促す様に優しく聞いてくれる。


「……薬やだ…。」


困らせて気を惹こうなんて今時子供でもしないけど…私はそんな事した。


でもね…前は手を握られただけで英咲士君には伝わってたんだよ…。


「クス……真苺の強がり☆」


ちょっと笑われたけど…どうやら伝わったらしい。


「じゃあ薬飲むまで居ったるから…お粥食べよか?」


「うん…。」



英咲士君のお粥は暖かく優しい味がした。


涙が出るくらい切ない優しさ…。



優しくされる度に胸が痛いよ…私はあなたを傷付けたのに…。


「美味しかったか?」


「ん…ごちそうさま。」



「じゃあ次は真苺の苦手の薬やな…。」


この薬飲んだら英咲士君は部屋から居なくなる…。



薬を一気に飲んだ。


「えぇ子えぇ子♪」


頭を撫でられると安らかな気持ちになる。



「真苺とこうやって一緒に居るの久々…なんか…




懐かしい…。」






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