「はあ?」

 歯無にはさっぱりわからない質問なので、首を横に傾けるしかないのだ。

「ここは自由恋愛だから、意思表示がわかりやすくないといけないんだ。だから、同性愛者は右腕に赤い腕章を着けるんだ。性別関係なく、両方OKなら左腕に着けるんだ。もちろんノーマルなら腕章はいらない」

 歯無には関係のないことなので、流して聞いていた。

「あっ!」

 歯無は狩留鴨が腕章を着けていることに気がついた。

 ラーメンを食べている腕である。

 同性愛者だ。

 狩留鴨は歯無が驚いているのに気がついたようだ。