道端で暮らしていたとき
こんな雨の日もあった。
そんな夜は、寒さから一層
その日の宿主を一生懸命に探した。
じわじわと
その頃の記憶が思い起こされる。
そうこんな道を歩いていたら、
ふっと後ろの方から、男達の話し声が聞こえてくるんだ。
それが一瞬小さくなって、だんだん近くなって
そして、肩に触れる。
そこからの苦痛でしかない性行為。
そして空腹。
あの時の体にかかっていた負荷が、
いま忠実に呼び戻される。
嗚咽。
突然目の前に現れた車
そのライトの光を浴びて、どうにか衝突をよけたら、
足首をひねってしまった。