そのまま電車に乗って、体を支えられながら

彼のアパートに入れてもらった。


玄関にぐったりと座り込む。

ひざを抱えているのが何だか楽だった。



早くこのふらふらをどうにかして、

ベットまで行かなきゃなんだよね。


じゃなきゃ、ご飯…

動かなきゃ、


………何で動けないの?





いつの間にか消えていたあのスーツの男が

何かを持ってまた現れた。



マグカップに熱いものが注がれていた。

その匂いがふわんと鼻腔を突き刺して、

頭とは関係なく手が動いた。


一気に口の中に押し込む。

そして案の定やけどをした。



「ちょ、何してんの!?」



飲む手を押さえられながらも、私は続けて飲んだ。


熱かった かもしれない。


それは何が入っていたのか分からない。