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「・・・っていうね、夢を見たの!」
「あー、ハイハイハイハイ」
嬉々としたあたしの報告に対して、拓巳はうんざりとして棒読みな相槌を打つ。
目は完全明後日の方向を向いている。
完全に聞く気がないリアクションに、あたしは思わずむっとして頬を膨らませた。
「ちょっと、なによ。その態度」
あたしの文句に拓巳はやっと視線をこっちに戻した。
とは言っても、その目にはあたしに対する呆れを含んでいたし、
その口からはため息交じりの声が零れたけれど。
「聞いてやってんだろ?幼馴染みじゃなかったらとっくに逃げ出してるっての。
ったく・・・ホントお前その妄想癖どうにかなんねぇの?」
「妄想じゃありませんー。
近いうちにちゃーんと現実になるんだからッ!」
あたしは少し早歩きで数歩進み、拓巳より前に踊るように出る。
そして後ろを振り返り、べーっと舌を出した。
拓巳はまたもやため息1つ。
「だいたいお前には思考力が足りない」
「何よ。このあたしの褒められるべき想像力に対して失礼ね」
「間違えた。お前に足りないのは皺の量だった」
ここのな。
そう言って拓巳が指さす先は頭。
「何言ってんの?」っていう私の視線を感じたのか、拓巳は連続して口を開く。
「突っ込みどころは言ってたらキリねぇよ。
まず、妃那と瑞樹先輩の家反対方向だろ?どうやって朝一緒に登校すんだよ」
「待ち合わせするからいいの!」