「んっ・・・」

「・・・」

「やだ、ちょっ・・・!」

「・・・」

「もっ、ダ、メェッ・・・だってばっ!」



苦しそうに声を上げる妃那だけど、まぁ俺が許してやるはずもなく。

俺はにやりと笑って、さらに妃那を押さえつける手に力を込めた。



「もうギブかよ?」

「・・・ッ!!!」



悔しそうにきっと俺を睨む妃那だけど、苦しさのせいかその目には涙が浮かんでる。

もちろん俺の挑発だって、負けず嫌いな妃那の性格を分かっての挑発だ。

案の定妃那はぶんぶんと首を横に振った。



「ほら、少し体勢変えるぞ」

「え、ちょっ・・・待って!」

「ギブ、しないんだろ?」



そう言ったら「拓巳のバカ・・・っ!!」と悔しそうに唇を噛んだ。

唯一俺が妃那より優位に立てるこの時間をおおいに楽しみつつ、

俺は「そうかよ」と笑って強引に妃那の足を引っ張った。

フローリングが小さい音を立てて軋む。

「いた!」と妃那が顔をゆがめる。

(段々楽しくなる俺って思いの外Sなのかもしんねぇ)



「ほら、クッションねぇと痛いぞ?」



ベッドに転がってた妃那用のクッションを妃那に渡すと、

「うー」とわけの分からないうめき声を上げながらそれを腰の下に入れた。



「覚悟、出来たな」

「拓巳のくせに生意気・・・っ!!」

「この後に及んでまだ反抗するんだ?」

「!!」



俺が更に笑みを深めたのに気付いたのだろう。

妃那の顔に恐怖の色が浮かぶ。

───・・・そんなことで容赦しねぇよ。覚悟しろ?