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「いきなり災難だったな、妃那ちゃん」

「ホントに。っていうか、あたしなんかが絡まれてたせいですよね。すみません」

「ううん、俺が行くの遅くなったのが悪かったし。ごめんね」



なんとか二人組をまいたあたしたちは、息を整えるため公園のベンチに座った。

遅かったし、ってあたしが早く着きすぎただけなのに・・・。

頭を下げたあたしに対して優しい言葉を返してくれる瑞樹先輩に心から感動する。

だってあたしの周りの男の子(っていったって拓巳と海斗君)にこんなあたしを優しく配慮してくれる人いなかったもの。

「可愛いと大変だね」なんて言葉には苦笑しつつ否定するしかなかったけど。



「走らせちゃうし・・・ホント俺男として情けないな」

「い、いえそんなこと!助けてくれてありがとうございました」



それに、運良く今日ショートパンツだったし!!

心の中では「うんうん」頷きながら、あたしはいまだ申し訳なさそうな瑞樹先輩に慌ててお礼を言った。



「妃那ちゃんは優しいね」

「瑞樹先輩には負けますよ」

「え?俺別に優しくないよ?」

「優しいですって!」



ぐっと両手で拳を作りながら力説したら、「んー」と呟いてから瑞樹先輩は柔らかく微笑んだ。



「だとしたら、それは妃那ちゃんだけにかな」



ごめんなさい、それ悩殺ものです。

(録音したい録画したい着ボイスにしたい・・・っ!!!)