「…朝日はいねーよ。」




佐々木はそう言った。




「いた。絶対いたっ。」




あたしは負けじと言い返す。




「だからいねーよ。」




「何でっ…いたんだからっ…。」




あたしは佐々木の服をつかんだ。



何で…弥生はいないの?




「大輔…もういいだろ。」




病室の入口を見ると、陸人が立っていた。



陸人はそのままあたしの側まで来た。




「夕紀、確かに弥生は大学にいたよ。」