とりあえず西へ向かう電車の中、ふと考えた。
なんで名前がないのか
他のみんなはどうやって名前を手に入れたのだろう
第一、観察するって言っても誰を観察すればいいんだろう。
そんな取り留めもないことを考えてると携帯がなった
宇宙人だって携帯もってます。少し違うところは宇宙まで電波があるところ人工衛星を使ってとばすから時差があるのが微妙だけど……
メールは婚約者からだった
私の星では産まれた瞬間に遺伝子レベルで相手が決まるのでどこの星の誰かも分からない
正直興味もないし、結婚すらする気もない
彼女のほうも素性を明かさないから私も詮索しなかった
“今日の地球の天気はどうですか?私はいまアルバイトの休憩中です‘’
どうでもいい内容のメールかもしれないけど、たまに心が癒された。
メールを返そうと終着駅についてしまったので、心の中で返信を済ませ携帯をパタリとしまった。