その風はまるで兄貴のように偉大で優しい風だった。兄貴からの宣戦布告かな…
「……おい」
「…グスッ…ヒッ…なに゙?」
「来てよかったろ…」
「うん゙……ありがど…」
「…ふっ…どうでもいいが鼻水拭け。」
「あぁ゙!?鼻水!?ティッシュ持ってねぇ゙―」
はぁ?
女のくせに持ってねぇのかよ!
この様子じゃハンカチも持ってねぇな…。
「……はぁ〜……」
俺は洋服の袖をぐいっと引っ張ってその袖で麗香の鼻水を拭いてやった。
「な゙っ!!やっ!やめろ!きたねぇから!」
「……………。」
「おい゙っ!!裕也!」
「……………。」
「………ッチ…サンキュな…色々と………。」
ふっ…素直じゃねぇな…
「最初からそう言ってりゃいんだよ…。」
だが実際嬉しかった。
俺はニヤケてるのを隠しながら麗香をケツに乗っけて麗香を送っていった。
ブォンブォボォ―ン…ガチャッ……
「じゃぁ!今日はありがと!」
「……おう。」
「じゃぁね!…っあ!そうだそうだ!」
「…あ゙?」
「携帯番号とアドレス教えてよ!……今更だけどねっ」
「…はっ!本当今更だなっ!」
「まぁ、いいじゃん!早く赤外線ッ!」
「はいはい。」
俺は赤外線でデータを交換した。
「っじゃ!今日メールすんね!バイバイ!本当に今日はありがと!」
「あっ!…おっ……い…」
バタンッ―……
……………ムカツク
言いたい事だけ言って家に入っていきやがった…。
「………ふっ…」
俺はマンションじゃなくて家にかえっていった。