殴って蹴って
殴られて蹴られて

その繰り返しだった。


あたしは暁椿蝶の皆を守りたくて…早く咲哉に会って頑張ったな。って頭を撫でてほしかった。


この喧嘩の事は咲哉は知っている。
だが、因縁の相手。竜ヶ崎連合の奴らとはどうしても暁椿蝶だけでケリをつけたかった。





周りを見回すと立っているのはあたし、紗輝奈、竜ヶ崎連合の頭の達海タツミだけだった。

達海は無傷だった。
下のやつらにやらせて自分は悠々と見ているだけだった。



「おーおーそんなボロボロの姿で俺に勝とうってのかよ?あぁ゙?」


「下の奴らが喧嘩してんのに悠々と観戦してるやつなんかには負けるわけにはいかねぇーんだよ!!!」


「…ッチッ……」


こいつは頭のくせに弱い。
だからあたしは油断していたんだ。
その油断が落とし穴だった。