「あたし、帰るな!迷惑かけて悪かったな…」


裕也と一緒にいたくない。
咲哉がきっと怒ってる。
裕也が嫌いなわけじゃない。咲哉が気になるだけだ。



「じゃぁ…な!!!」


あたしはバッ!っと立ち上がってダッシュで玄関に向かい単車のとこへ向かった。


「ごめんね、咲哉……」


あたしは涙を一粒落として単車にまたがった。



ブォンブォンブォ--ン


「ねぇ?咲哉ぁ、咲哉は忘れて幸せになれって言ったけど、あたし…無理だよ。咲哉なしで幸せになんかなれっこねぇんだよ」



あたしは風と一体になりながら、涙を流して、まるで咲哉に話しかけるかのように呟いた。






風と一体になるとあっという間に時は過ぎていく。


すぐに家についてしまった。




―――ガチャ


「ただいまぁ」


あたしはお兄ちゃんから逃げるように忍び足で部屋に向かった。




―――ガチャン

「ふぅ〜………」



あたしは部屋に入るなり携帯を開いた。



「はぁ?なんだこりゃ…」


着信:158件
メ―ル:5件


メールは全て紗輝奈からだった。
着信は4件は紗輝奈2件は族の仲間からだった。
残り152件は全て非通知。


「こっえ〜……」

これには流石のあたしも嫌な気持ちになった。