じゃあ高卒で就職しなければならないのだろうか。


でも私にはあと四年そこそこで就職できるような人間になっている自信がない。


働くなんて、まだはてしなく遠い未来のことだと思っていたのに。


このままじゃ、無理に決まっている。


それじゃあフリーター、最悪ニートになるしかないけれど、そんな格好悪いのは絶対いやだ。


だとしたら残る選択肢はただひとつ、結婚、しかない。


これが一番非現実的のような気がする。


私のことを好いてくれる殿方など現れるのだろうか。


なんだかんだ思いめぐらせているけれど、どの道を選んでも結局、

生きて人間をやっている限り人間と関わらないでいられる方法はないことに気づく。


ああ、私はこれから先の人生どうすればいいのだろう、お先真っ暗だ……。


私の中身はよどんでいるから、美しいものを眺めているときでさえ脳内はこんなにドス黒いものが渦巻いている。


その汚い思考が外にあふれ出していやしないか心配になって、頭をぶんぶん振ってみた。


もちろん何も飛び散らなかった。


ため息をつくと、今までの美しい景色に水を差す人工的な金色の髪をきらめかせて、

正門から三人の『ギャル』が校内に侵入してきているのを確認した。


派手な女子高生が中学校に何の用だろう。


不思議に思って目をこらすと、その三人の正体に気づいて私は思わず声をあげた。


「嘘、何あれ」


「えっ、なになに?」


野次馬根性丸出しのアリィが瞬時に反応して窓にはりつく。


その速さに突っこむのさえ忘れた。


女子高生だと思った三人組は、あの隣のクラスの問題児、カナエとミオ、ノアだった。