それから私達はクーラーのきいた部屋で、半分こにしたメロンを食べた。
オレンジ色の果肉は宝石みたいに綺麗で、スプーンを入れると果汁が滝のようにあふれた。
「おいしい!すごいね、おいしいね!」
「うん」
「すごい、すごい!」
アリィは一口食べるたびに「すごい」と言って、私はそのたびに「うん」とうなずく。
勢いのままあっという間に私達は皮のぎりぎりまで実を食べ尽くした。
それだけでは飽き足らず、アリィは皿にたまった果汁を飲み干し、意地汚く皿の底までなめ始めた。
「アリィ汚い!」
そう言いながら、私も皿の底をなめた。
「ゆっぴーもやってるじゃん!」
「もったいないじゃん。だって高級なんだよ」
「そうだよ、もったいない!」
二人で皿をなめる。
ものすごくお行儀が悪いとは分かっていたけれど、やめられなかった。
こうなっては私もはしゃいでいたのだと、認めざるを得ない。
アリィはきゃっきゃと笑った。
ずっと笑っていた。