「とにかく、中原」

主任が私に視線を向けた。

「仕事とプライベートは別々に、ね」

んふっと、主任はやらしく笑った。

「はい」

私は返事した。

「まあ、そう言うことだな」

課長は複雑そうな顔で首を縦に振ってうなずいた。

部長は頭が痛いと言うように、指でこめかみを押さえた。

クビにならなくてよかったと思いながら戻ろうとしたら、携帯電話が鳴った。

勇からだった。

『今からいい?

資料室で待ってるから』

勇らしいシンプルなメールに、思わず顔が笑ってしまいそうになった。