「あんな女の子供を
触らせると何かが起きる。」


そんな言葉を、
ヨーサーは平気で私に
浴びせてきたのだ。


私も人間だ。
ただ人並みに恋をした事が、
全くない。


城の中で大半を過ごす
私達にとって、
愛とは何だと?疑問に
感じてしまう。


「ケンヨウ。」


「何でしょう?」


「俺は生まれて、
生きてきて良かったのか?
それともいけなかったのか?」


「バン王子・・。」


「私は家族すらない。
そして恋すらした事は、
1度も無いのに、
いずれは結婚するんだと
思うんだ。
その女性を愛せる事が、
出来るんだろうか?と
いつも悩んでしまう。」


「バン王子大丈夫です。
いずれは貴方様を
愛してくれる人物が、
現れるに決まっています。」


「そうだな・・。」


俺は運命というものすら、
信じてはいなかった。


そして事件は起こった。
俺が知らない間で、
暗殺計画が立てられている事を
この時は知らなかった。