「 いつでも悩み相談聞くぞ! 」

期待させるな。

そんな笑顔見せるな。

もう、…近付くな。

「 大丈夫って! 」

先生の手を振り払うと、
私は玄関に向かって走った。

「 おい、佐藤!おい 」

後ろから先生の声が聞こえる。
玄関まで来ると、
先生の声はいつしか
聞こえなくなっていた。

「 はぁ、はぁ 」

久しぶりにあんな走った。
顔はまだ熱を帯びていて
手鏡を覗くと頬が赤く
染まっていた。

「 もう、諦めんと 」

自分の頬をペチペチと
叩くと上履きを下駄箱に
入れて帰路に着いた。

周りを見渡すと、
街は少し雪が積もり
初めていた。

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