多分きっと女に、
慣れてる奴なんだ。

ときめいたら駄目。
ときめいたら終わり。
ときめいたらアウト。

恋しちゃ駄目だよ。

「 もうこのへん? 」

「 あ、ここ!ここ! 」

少し築年数がいった
私のマンションを
指差すと小さくお辞儀をした。

「 夜道は危険だから。じゃあね 」

そういってまたあの
爽やかな笑顔を見せると
自転車で颯爽と暗闇の中へ
消えて言ってしまった。

「 あーあ。馬鹿みたい。 」

ボソッと呟いて、
マンションの中へと入った。


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