波の音は繰り返し不規則で、
風が肌をかすめるたび、こそばゆい。
まったく知らない初対面な人の隣で、
なぜか居心地よくなってその隣で座り込み、目を閉じる私。
コンプレックスを抱いてる自分や、グルグル悩んでる自分がちっぽけに感じて、
心が洗われるような気がした。
ふとした瞬間、寝そべっていて微動だにしなかった彼が体を起こす。
モジャモジャの髪に隠れて表情は分からない。
その時、
ぎゅごるるぅう…
「あぅ…」
ごるるるぅう…
一瞬にして現実に引き戻されるかのように、突然なりだす腹の虫…。
一気に赤面する私。
腹のお肉も立派なら腹の虫もご立派で、激しく自己主張を続けている。
(そういえば今日、バイト前にご飯食べたっきりだ)
しかし無反応の彼が気になっておそるおそる目を向ける。