「ひと口どうぞっ☆」


『えっ、いいの?』


「いいよ~♪

そのかわり、カナちゃんのもひと口ちょうだい☆」



どうしよう……//

これって間接キスってやつだよね?


口元に持ってこられたクレープの端を遠慮がちにかじる。


「おいしい?」


『ん、なんか生地の味しかしなかった……//』


「生地しか食べてないじゃん!!

そんな遠慮しないで。

ほら、この辺食べて☆」


真っ赤になりながら、由依のクレープをもう一度かじった。


「美味しい?☆」


『う、うん……//』


嘘……。

本当は恥ずかしくて味なんて分かんなかった……。



「か~わい~☆」


俯いていると突然、由依がそんなことを言った。


『えっ?』


驚いて聞き返す。


「カナちゃんはピュアなんだね。

でも、他の男の子の前でそんな顔しちゃダメだよ?☆」


『……ひゃっ!!』


グッと顔を近づけて耳元で囁かれた言葉。

耳を由依の吐息が撫でて、思わず奇声を発してしまった。