「『裕太』にしろよ。」



俺はなるべく悟られないように明るく言った。




「え??」




「いいじゃん。裕太で。
俺も『詩音』って呼ぶからさ。」




詩音は目をパチクリさせている。


そんなに驚くことか??


「あ。まさか、男子を下の名前で呼べないとか??」



「んなことないけど・・・
初対面だから・・・ちょっと・・・ね。」


詩音はそう言って下を向く。



ちがうな・・・。

初対面だからってこともあるだろうけど
きっと別の理由があるんだと思う。



そんな・・・かんじがする。