純は席を立たなかった。


立とうと・・・しなかった。





「純??
行かないの??」


行かないで・・・

彼女のところになんて
行かないで・・・



純はやっとあたしを見た。


「彼女待ってるじゃん。
行ってあげなよ。」



行かないで・・・欲しいよ。


だけど・・・

そんなのあたしが言える立場じゃない・・・


やっと純が幸せになったのに

またあたしのせいで壊したくない。


「・・・だよな。
ちょっと行ってくるわ!」



その瞳が
哀しみを表していたなんて


気づかずに・・・