「詩音があの問題できないってちょっとびっくりだったなぁ。」


「あはは。
ちょっと考え事してて・・・
ぼけてた。」


「ぷっ・・・!
ぼけてたって・・・何歳だし。」



そう。

あの意味分からない数式は
基礎中の基礎。


なのにわからなかった。





だけど・・・

わからなかったあたしのバカな頭に
今は感謝してしまう。





だって

そうじゃなかったら

こんなふうに純と話せてなかったし
純の笑顔も見れなかったから・・・



まだ・・・



純に握られた左手が
熱かった。