〜・〜・〜・〜
「はぁ〜・・・」
電車に揺られながらあたしは大きな溜め息を吐いた。
【引っ越し】
このコトバだけで2年前を想い出す。
この電車はどこへあたしを送り届けるのだろう。
純と別れてから
あたしは
感情を持たなくなってしまった。
ただただ時間に流されていって
過去に留まったあたしを
「時間が忘れさせてくれる」
そう想っていたあたしを
時間は
どんどん先に進んでいて
あたしを置いていった。
時計の針が止まることもなく
時間が無条件に手を差し伸べてくれることもなく
あたしはあの頃から
一歩も進めなかった。
立ち止まって誰かが助けてくれるのを
待っているだけだった。