「由優、それ以上濡れるといけねぇから、傘持ってて?」


理緒は、俯く私の手に傘を持たせると、ビッショリ濡れた紙袋を拾おうと、その場にしゃがみ込んだ。


「い…いいよ、拾わなくて…。」


そう言ったけど、理緒は手を止めることなく、紙袋を拾い上げる。


「中に入ってるもの…、濡れちまったよな……。」


パサッと紙袋の中を見た瞬間、理緒の動きが止まった。