校門を出て、しばらく走ったところで歪む視界に耐え切れず、止まって涙を拭った。 今年の理緒の誕生日も“おめでとう”って言えなかったな…。 楽しみにしながら、お菓子作りの練習していた自分を思い出すと、切なくなってくる。 さっきまで理緒の喜ぶ顔が早く見たかったのに… 今は…どんな顔したらいいのか分からなくなっちゃったよ…。 雨に混じりながら次々と涙が零れ落ちた。 「由優!!」