「あ…!理緒君、良かったら…これも一緒に受け取って欲しいの…。」


新谷さんは、続けて机の上に置いてあるブルーのラッピングされた袋を手に取ると、理緒に差し出した。


「これ…誕生日プレゼント。マフラーなの…。理緒君、甘いものとか苦手みたいだし、これからの季節に使えるものにしたんだ…。」


私は、新谷さんの言葉に手に持っていたクリーム色の紙袋の紐をギュッと握りしめた。


そっか……。
理緒…甘いものって苦手だったんだ…。


夏祭りの時も、綿あめ……我慢して食べてたのかな…?


理緒の好みも何も知らないまま、プレゼントを用意した自分に、ため息がこぼれる。