でも、そんなことで空守君が教室に帰ってくれるわけがなくて…


スタスタと歩いてくると、ソファーを軋ませながら私の隣へと座った。


「試合…来てなかったよな…?どうして?」


空守君の口から真っ先に出た言葉は試合の結果じゃなかった。


でも、何となく…
さっきの寂しげな表情を見たら、そんな風に聞かれるんじゃないかって気はしてた…。


「えっと……行ったんだけど、人が多くて…。後ろの方にいても何も見えないし……」


俯きながら話していると、空守君が私の手に重ねるように手を被せる。


「だからって…何で保健室にいるんだよ…。人が多くたって、グラウンドから居なくなったりするなよ…。」