始めは、リヒトの勝手で連れてきた人間なんか、吸いたくなかった。

つまり、自分の選んだ男とエッチをしろ、と言っているようなもんだ。

―…趣味悪い…―

まず、もちろん反発した。絶対に嫌だと言った。

しかし。
『では。違う者を探してきます。どのような者がよろしいでしょうか』
と言われ、あげく…。
『どの方も嫌なら、私がまた、お渡しするしかありませんね』
と、溜め息混じりに言われたら、了承するしかない。不本意なことを、押し付けられたようで、気分が悪かった。

けれど、会ってみた男は、優しく穏やかで、何より良質の性気を持っていた。
悔しいが、相性はバッチリのようだった。



そうして、私がその男…タケルになつくまでに、そう時間はかからなかった。