数分後、双子らはまさに飛んでくるように、すぐに駆け付けた。
が、何故かカオの機嫌がすこぶる悪い。
「ヒカルにショウ。今まで心配かけたね?もう、大丈夫だから。」
わざとなのか、私の方を見ようとしない。
その上、私に対する冷気のようなものを、感じる…?
「思い出したよ。全て。…自分が永遠を生きる化け物であるとか、シェル…妹との確執であるとか。」
語ることは、確かに忘れ去られていたこと。しかし…何かが、欠けているような気がした。
「カオ…僕たちのことは?」
ヒカルが、キラキラと瞳を輝かせてきく。
気のせいだろうか。双子たちは、気にしていないし。
「もちろん。思い出したよ。死にかけていた2人に、命を分けた…。私の弟たちのようなものだ。」
……そうだ。カオは、2人を仲間にしたのに、私はしてくれなかったのだ。
それが、とても……哀しかった…
「リヒトのことは?」
ショウがよけいなことを言いやがった。
ギロリと、睨み付けるが、つんと受け流す。
「シェルの下僕だ。」
「!カオ!?私は……」
「それ以上でも、以下でもない。」
「……それでも。私がお仕えするのは、カオだけです。」
傍に、いたかった。
昔のように。
例え、どんな形であろうとも。
傍に居れたら、それでよかったのだ。
だから。
カオがどんな表情をしているのか、気にもしなかったし。
まして、双子が心配そうにカオを見つめていたことにも、気がつかなかった。